2016年11月30日水曜日

インナーチャイルドを癒してアダルトチルドレンは克服できない


インナーチャイルドを癒してアダルトチルドレンは克服できない



当たり前のことですが、インナーチャイルドを癒すことでアダルトチルドレンを克服することはできません。アダルトチルドレンは単純な脳の機能障害だからで、脳の機能障害から傷つきやすい性格、生きづらい性格が生じているわけですから、インナーチャイルドを癒してアダルトチルドレンを克服することはできません。

インナーチャイルドとは何か?

インナーチャイルドとは非常に曖昧な表現ですが、ざっくり簡潔にこの場で説明すれば、ヒトの無意識領域下に存在するトラウマのことを指す場合がほとんどです。たとえば、幼いころに馬に乗馬しその馬が暴れてそこから落馬した少年は、終生、馬に対していわれのない恐怖心を抱きやすくなります。これはフロイトが報告した実際存在した事例ですが、人間の無意識領域下にはさまざまな心的外傷が存在しています。これを脳科学的に解説すれば、扁桃体という脳の情動中枢に刻印されたトラウマ的な記憶・・・・・・それを癒していく・・・・・それをアダルトチルドレンをインナーチャイルドを癒すことで克服すると巷のスピリチュアル系のカウンセラーは吹聴しているわけです。

心(゠外傷記憶)は終生消えないしインナーチャイルドは癒せない

重要なことなのでここで言っておきますが、そもそも心的外傷記憶を消すことはできません。何故かというと、心的外傷記憶は扁桃体という情動中枢に明確に刻印されてしまっているからです。これを除去することは不可能です。しかしながら、やわらげる、大幅に軽減することは可能です。何故かというと、前頭葉という情動を抑制する(゠感情をコントロールする脳部位)の機能を強化することで、その前頭葉から扁桃体の活動を抑制することが可能だからです。前頭葉と扁桃体は太い神経でつながっているので、前頭葉の機能(認知機能)が優位になれば、扁桃体の暴走を抑えることが可能になっていくからです。

アダルトチルドレンを克服してから精神世界を探求すると良い

人間の性格、心は単純に脳の機能が具現化したモノ・・・・・・というわけでは実はありません。このことはマインドフルネス瞑想や座禅を長年修行してきた高僧にはよく知られていることですし、私自身もよく理解している事象です。しかしながら、このような精神世界の探求はアダルトチルドレンなどの精神疾患を克服してから探求するのがベストです。あまり複雑なことをごちゃごちゃ病んでいる人が追求していっても余計自分が分からなくなることがオチだからです。また、アダルトチルドレンの渦中にある人がマインドフルネス瞑想を行おうとしても、心を病んでいる人は雑念塗れなので、瞑想をしようとしてもうまくいかないのです。

(まとめ)

基本的に、【脳の機能が心を生んでいる】ということを肝に銘じることがアダルトチルドレンを克服したいと真に願っている人が持つべき心構えです。精神世界の探求は、克服して完全に治ってからにしましょう。
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3 件のコメント:

  1. 私は回避性人格障害とアダルトチルドレンの傾向があると思っているのですが、以前から心を治したいと言うよりも脳を治したいと思っていました。そこで沖先生のブログなどを拝見し知識と根拠に基づく主張を聞いてそれが確信に変わりました。

    私は企業面接当日に頭が混乱し、面接を受けずに帰ったり、失敗や怒られることなどに強い恐怖を感じ逃げてしまうといったことが多く日常生活に支障がでています。これが回避性人格障害なのかそれともただの甘えなのか悩んでいます。

    また、幼少期は父親から棒で殴られ背中にアザができたり、母親は自己愛が強く真面目に話しを聞いてもらえなかった記憶が強く残っています。兄弟と何かした話した記憶がほとんどないせいか家族に対して思い入れがないように思います。

    これらの影響かもしれませんが異様に空想の世界へ没入することが多く、空想が始まると現実から解離することが多いです。

    このような状態は回避性人格障害、アダルトチルドレンを疑ったほうがよろしいでしょうか?

    長文で申し訳ありません。

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  2. コメントありがとうございます。
    こちらで回答いたしました。他にもありましたらお気軽にお寄せください↓
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